潮岬灯台(しおのみさきとうだい)
潮岬灯台
航路標識番号:2902/国際航路標識番号:M5994/和歌山県東牟婁郡串本町潮岬/位置:33 26.3N 135 45.3E
高さ:地上~頂部23m・水面~灯火49m/塗色構造:白色 塔形 石造/初点灯:1873(明治6)年9月15日
本州最南端の潮岬に
 台風銀座とも呼ばれている本州最南端の潮岬は、黒潮の流れが速く、風も強い航海の難所です。
 1866(慶応2)年5月、江戸幕府が米・英・仏・蘭の四カ国と結んだ12条からなる改税約書(江戸条約)の第11条に『日本政府は外國交易の爲め開きたる各港最寄船々の出入安全のため燈明臺浮木瀨印木等を備ふへし』と列強の国々に一方的に有利な航路標識設置の約定が記されていて、これによって建設することになった8灯台の1つです。
 「日本灯台の父」R・H・ブラントン指導の元、1869(明治2)年に石造りの樫野埼(かしのさきとうだい)灯台と共に建築を開始しました。  翌年の1870(明治3)年に日本初の木造八角形灯台として建造物は完成したのですが、本点灯に使う灯器などを積んだイギリスからの船が 航海の途中に難破、やむなく蒸気機関車のヘッドランプをアメリカから輸入しての仮点灯。3年後の1873(明治6)年9月15日にやっと本点灯に漕ぎつけます。
 その初代の洋式木造灯台は、台風で倒壊、1878(明治11)年4月15日に石造で改築されたのが現在の灯台です。
(拙著「ニッポン灯台紀行」より抜粋)

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